2014年9月7日日曜日

臘梅


元旦に孫に起され目覚めたり年に一度の大家族制

引籠る窓辺に活けし臘梅の満開となり香り薄るる

わが猫は寒風すさぶ野良に出て帰りくるなり冷えた身を寄す

冬温きひと日戸外に猫と我地獄に仏とつぶやきながら

山茶花は霜に覆われ咲いている白粉(おしろい)つけて嫁に行くのか

1 件のコメント:

HaraTetsuya1 さんのコメント...

元旦に孫に起され目覚めたり年に一度の大家族制
 (大家族制とは大げさな、「年に一度」の悲哀、そしてかすかなユーモアに包まれて)

引籠る窓辺に活けし臘梅の満開となり香り薄るる
 (そのとおりですね。満開を迎えて、とたんににおいが薄れる。花のしぼむさまが惨めな気持ちになります。わが庭に、花底も黄色の、素心蝋梅が咲きます)

わが猫は寒風すさぶ野良に出て帰りくるなり冷えた身を寄す
 (猫と歌人のふたり暮らし。冷えた身を寄すとは、なつかしいですね)

冬温きひと日戸外に猫と我地獄に仏とつぶやきながら
 (猫一匹との暮らしに、独り言を言う。いや、猫に語りながら。私も、いつの間にか家の犬に語りかけて)

山茶花は霜に覆われ咲いている白粉つけて嫁に行くのか
 (白粉つけて嫁に、とはおおげさな、しかし、かすかなユーモアの、佳き歌です。椿、山茶花の好きな私には、よく分かります)

短歌ブログの、いつ更新されるのか、待ちつづけて、毎月でも更新されることを強く望みます。
しかし、紀ノ川とともに、里に、お仲間とともに、力強く暮らされていること、力強く歌われていることに敬意を抱きます。
ご自愛のほど祈ります。/E