盆参り汗をふきふき娘来る背を追い越せし孫ら引き連れ
「山里は星こわいほど」という子らに東京暮らしの夜空を想う
盆の客嵐のように帰り行きわれひとりなる素麺すする
真夏日の朝に水遣り昼寝して夕べも水遣り夜は水割り
つぎつぎと生まれし目高の一匹も死なせてならじと水槽増やす
一株の蓮は池面に広がりて睡蓮八株葉陰に消えし
野菜などいつも頂くご近所に手作り豊作の西瓜を配る
水神はいずく行きしや影もなく雨乞いもせで果樹は灼け立つ
那智ノ滝日照り続きて痩せやせて風にふられ白き身くねる
夏はああ盆に西瓜に原爆忌敗戦記念日麦藁帽子