2013年11月21日木曜日

奈良県御手洗峡


鬼やんま

             
真夏日の終りを告ぐる風に乗り鬼やんま人の高さに()ぎる   

真夏日にめだかの槽が大雨にあふれて二匹(くう)を吸いおり

わが池に咲き終え花を散らす蓮命尽きても種抱きいる

我が猫は用もないのに扉掻き我に寂しさ訴えかける

秋長けて種を落としたコスモスが庭に咲き群れ一幅の絵に

姫路


2013年11月10日日曜日

処暑


蝉時雨いつの間に止み虫すだく猛暑続くも処暑を感じて

盂蘭盆会魂らは騒ぐ地獄より暑い下界に舞い戻りきて

鉄線の一輪咲きて又一輪酷暑は狂わす二度先の朱

唐突にヒステリックな(もず)の声夏の熱気を切り裂きわたる

孫ら去り寂しかろうと人の言う疲れ果てたと言えずに黙る