2012年12月7日金曜日

高野山

根本大塔への道

生きの証明


目だけでそれとわかるめだかの子動いて生きの証明となる

秋の空見上げ過ぎ来し歳思う悔恨の日々明日は晴れるか

稚鯉たち槽いっぱいに溢れいる捨てられし筈の者どもの群れ

猫黙し寝そべる我の腹に乗り体なめては眠りこけいる

氷雨降り残りのコスモスそぼ濡れてさびしき秋の孤独の極み

2012年10月8日月曜日

高野山青葉祭

時代の装束

虫一匹


庭の草引きぬきおれば唐突に虫一匹が胸に飛び込む

鯉の餌野良猫食べて減っている空腹だろう少しはいいか

蝉の声いつしか止みて虫すだく猛暑の中にも秋は来ている

小さくて朝顔に似た花咲きて小さなかずらも朝露に濡れ

捨ておきぬめだかの曹に稚魚生まれあわてて餌を求めて走る


2012年6月14日木曜日

金環食


ちちははの遠くになるも今年また椿は咲きて池面に落ちる
わが猫の蜥蜴をしとめる腕のよさしたり顔にて迷惑知らず
わが庭に花菖蒲咲きわが池に鯉の遊ぶは皐月の光景

藪に鳴く鶯の声長けてきて緑の色はいよいよ深し


生きていて金環食に遭遇す三百年後の子孫はいかに