2008年4月23日水曜日

恋人岬

招かれし卒園式の進行は軍隊のような規律をもちて

この年の桜を待てず逝きし友何処の山の花に遊ぶか

山住みの友を訪ねて登る道ヘアピンカーブにポスト佇む

見晴らしの「恋人岬」に立ちいるは「ここに小便したらあかん」とう札

かのころの疎開暮しの屈辱をいまさら語る同級生ら

女性から「同窓会ありがとう」とのはがき来ぬ写真と名簿を繰り返し見る 

鯉の子らこの冬を耐え一割が生き抜き温む水にたわむる

睡蓮は春のきざしにおずおずと新芽を水面に向け伸ばしくる

春日さし不妊にされしわが猫は恋も知らずに里に出歩く

春彼岸位牌あれこれ眺めては知らぬ名前に話題の及ぶ

2008年4月10日木曜日

和歌山城


  
和歌山城の桜は温かい風にさらさらと散っていました。
  
石組の隙間にたまる花びらは紀の国姫の秘めたる吐息

2008年4月8日火曜日

紀の川市S家の枝垂れ桜


                     
歌友のSさんのお家は長く続いた神官の家柄。
樹齢300年はあるという枝垂桜が、小高い所から紀の川に寄り添う町々を見
下ろしている。
                                      
天覆う 枝垂れ桜の しだれ枝を 揺らし蜜吸う 目白ひと群れ

九度山町 真田庵の桜


      
真田庵は真田昌幸・幸村が閑居した屋敷跡に建つ寺院。
   
かくれ住んで花に真田が謡かな  与謝野蕪村

2008年4月3日木曜日

奈良県吉野町本善寺


     
吉野川の南岸にある吉野地方の真宗の拠点の寺。