2013年12月3日火曜日

岸和田だんじり

 

霜月



わが猫は隣の犬が大嫌い近づくたびに吹いて威嚇す

秋長けて秋冥菊の咲き終えて花言葉には「あせていく愛」

朝目覚め昨日(きのう)と違うは天気だけ日日生きて一年を経る

霜月のめぐり(きた)るは定めにて受け容れんとて日めくりめくる

君は又濃い目のスープ飲み干して明日への活力創り出しいる

2013年11月21日木曜日

奈良県御手洗峡


鬼やんま

             
真夏日の終りを告ぐる風に乗り鬼やんま人の高さに()ぎる   

真夏日にめだかの槽が大雨にあふれて二匹(くう)を吸いおり

わが池に咲き終え花を散らす蓮命尽きても種抱きいる

我が猫は用もないのに扉掻き我に寂しさ訴えかける

秋長けて種を落としたコスモスが庭に咲き群れ一幅の絵に

姫路


2013年11月10日日曜日

処暑


蝉時雨いつの間に止み虫すだく猛暑続くも処暑を感じて

盂蘭盆会魂らは騒ぐ地獄より暑い下界に舞い戻りきて

鉄線の一輪咲きて又一輪酷暑は狂わす二度先の朱

唐突にヒステリックな(もず)の声夏の熱気を切り裂きわたる

孫ら去り寂しかろうと人の言う疲れ果てたと言えずに黙る

2013年9月15日日曜日

大銀杏



蓮 

                  

わが池の蓮咲き涼を呼びているちちははおわす黄泉にも届くか

わが池にみずひなげしとう水草は蓮を押しのけ勢力を張る

わが猫は暑さにぐたり横になりのろのろのろと歩みすすめる

くまぜみが鳴いて味わう夏本番以前の猛暑はみなリハーサル

朝鮮の悲劇は続く南北に引き裂かれての六十余年

2013年5月2日木曜日

落ち椿

仙人


誇らかに紅梅白梅咲き揃い愉悦のひと日を猫野に遊ぶ

枯れ蓮の池にいくつか椿落ち無色の水面に彩り添える

初鳴きはたどたどしくて幼くて薮の中より姿を見せず

鯉のかげ悠々として池泳ぐ鮒っこどもの王者のように

青鷺は池に立ちいて動かずに痩せた体で仙人のさま

2013年3月7日木曜日

御田の舞



かつらぎ町 花園


春を待ちおり


春寒に村を見下ろす山寺の御田の舞にカメラの砲列

汗だくのおとこ踊りに拍手わき御田の舞の面目躍如(花園)

残酷に伐り取り活ける梅の枝花を開かせわれを慰む

集い来て学習するとう老人ら余命を忘れ目を輝かす

日溜りにごろり寝そべる我が猫は毛づくろいして春を待ちおり

2013年2月8日金曜日

しめ縄



庭先にかまどをえて手作りのこんにゃく炊き上げ年の瀬せまる

手作りのしめ縄習い正月はこれでいこうと裏白つける

正月が来ると覚悟し来年はかっこの中に何書き込まん

鯉狙う青鷺の姿憎らしく石で追いては空しくもあり


枯れ蓮の下に眠れる蓮根の生命力に神秘を見た