2018年3月21日水曜日

同窓会


一段と腹が出ている同窓生会に来るなり「俺は元気だ」

一人だけ髪は黒黒染めてなし同窓会は後期高齢

間違えて欠席とされしご婦人は皆にちやほやされて満悦

学校でりんごをくれしかのひとは覚えていないと同窓会で

冬晴れの同窓会の果てて後帰りゆく先現実が待つ

2018年3月13日火曜日

スーパームーン


スーパームーン             実宝教雄

正月を子や孫揃い迎えたり広い農家に先祖の笑顔

家族らで雲間に顔を覗かせるスーパームーンに歓声あぐる

雪積もる冷たき空気に凛として山茶花の赤ますます冴ゆる   

同窓会後期高齢何人の出席なるか賭けをしている

暮れ行きて独りの酒を猫見てるお前も飲むかと無理やり顔に

2018年3月10日土曜日

すりすり


寒い朝鴉の群が舞い狂う縁起でもないまだ死なないぞ

寒い朝赤が目にしむ灰色を背景として山茶花が咲く

寒い朝猫帰り来てすりすりと冷たい体を押し付けてくる

寒い朝なぜ裸だと人間は死んでしまうかなどと思考す

寒い朝思案をするもいい夢か悪夢だったか思い出せない

2018年1月19日金曜日

たった一輪


山茶花はたった一輪花をつけ白き孤高の光を放つ

庭隅に石蕗咲いてその黄色ここにありきと主張している

寒き秋皇帝ダリアの遅く咲き霜のくるのを恐れつつ観る

秋の日の展覧会に油絵を出展するも羞恥の極み

猫眠るベッドの端でいつまでも夜には目覚め戸外に出せと

2017年12月11日月曜日

おやじ


百舌が来てキリキリキリと鳴き叫ぶ私のどこが気に喰わないか

コスモスのあわれに倒れ空仰ぐよせばいいのになお花つけて

猫帰るまるで夜遊びしたように何食わぬ顔して餌を頬張る

ことわざに「地震雷火事おやじ」親父でなくて台風(おおやじ)だとか

停電で闇を見詰めて思うこと元同僚の名前を手繰る

2017年11月26日日曜日

我は芥子粒(けしつぶ)


広大な宇宙の果てに地球とう惑星に住む我は芥子粒

鈴虫の音を聞きながら夜を過ごす田舎暮しは板についたか

秋の夜の猫と私の競うことどちらが先に天に召される

秋彼岸妹と共に墓参して墓仕舞いする話題に終始

手術後の友に付き合い喫茶店よもやま話で時間を埋める

2017年11月14日火曜日

盂蘭盆会


蜂の子が窓に飛びつきあがきいる外の世界に出してくれよと

三日月が西に傾き赤く耀る明日も暑いと言わんばかりに

孫ら来て先祖らが来てひとときはにぎわいている盂蘭盆会には

猪は耕作放棄地を鍬ならぬ鼻でしっかり耕してある

虫すだくこの暑さにはそぐわないもう一度蝉よ鳴いてくれぬか