2017年11月26日日曜日

我は芥子粒(けしつぶ)


広大な宇宙の果てに地球とう惑星に住む我は芥子粒

鈴虫の音を聞きながら夜を過ごす田舎暮しは板についたか

秋の夜の猫と私の競うことどちらが先に天に召される

秋彼岸妹と共に墓参して墓仕舞いする話題に終始

手術後の友に付き合い喫茶店よもやま話で時間を埋める

2017年11月14日火曜日

盂蘭盆会


蜂の子が窓に飛びつきあがきいる外の世界に出してくれよと

三日月が西に傾き赤く耀る明日も暑いと言わんばかりに

孫ら来て先祖らが来てひとときはにぎわいている盂蘭盆会には

猪は耕作放棄地を鍬ならぬ鼻でしっかり耕してある

虫すだくこの暑さにはそぐわないもう一度蝉よ鳴いてくれぬか

2017年8月26日土曜日

金星よりは


通るたび垣根に群れて咲き盛るノウゼンカズラ主はいま亡く

球場に無念のサイレン鳴り渡る高校最後にコールドゲーム

この暑さ金星よりはまだましとつぶやきながら冷房漬けに

降り注ぐ竹の葉やめば夏が来て入道雲の高くそびえる

猫ぐたり毛皮を脱げよ見るからに暑苦しくて目も当てられぬ

2017年7月15日土曜日

蜘蛛の巣


あちこちに蜘蛛の巣張りて払えども又いつの間に元の木阿弥

曇天に青空よりも青く咲く紫陽花の青気分晴れ晴れ

鶯の春から夏へ鳴き渡る妻を娶りて幸多くあれ

誰がために鳴きて血を吐く子規(ほととぎす)寝付かれぬまま闇を見つめる

雨降れば農の休みと友が来て世界のニュースをあれこれ語る

2017年6月15日木曜日

花笑う

           
山笑い猫鳥笑い花笑う初夏の珍事は白昼の夢


薫風を受けてきらきら光る樹々鶯の鳴く里に乾杯


東京に住まう息子をふと思いとりとめのない電話を掛ける


めぐり来て脳の手術を受けたとう翁は出雲の玉串を売る


これからは趣味を持たねばとう友のカメラを求めて量販店に

2017年5月6日土曜日

妹よ


妹よ嫁いで幾年背も丸み今はいずこに初恋の君

風さらう桜吹雪もまた風情散り急ぎてはもはや葉桜

粉河寺処々に桜花は満開に贅沢なりし人は疎らに

竹林にしゃが群れ咲きて光射す夢幻か仏の世界

特養に住まう歌友は小奇麗な部屋にこもりて歌作りおり

2017年4月16日日曜日

猫撫で声


水いまだ冷たき池に鯉たちは身じろぎもせず春を待ちいる

初鳴きの声ういういし山里の風まだ寒き春の真昼に

年寄りの猫に優しくしましょうと猫なで声で餌をやりおり

友が来て大根沢山持ち呉れしさてどう食うかレシピの思案

土蜘蛛がパソコン画面に張り付いて存在示す生きているぞと