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田舎ぐらし
紀の川中流域の南岸から発信します。
2018年3月10日土曜日
すりすり
寒い朝鴉の群が舞い狂う縁起でもないまだ死なないぞ
寒い朝赤が目にしむ灰色を背景として山茶花が咲く
寒い朝猫帰り来てすりすりと冷たい体を押し付けてくる
寒い朝なぜ裸だと人間は死んでしまうかなどと思考す
寒い朝思案をするもいい夢か悪夢だったか思い出せない
2018年1月19日金曜日
たった一輪
山茶花はたった一輪花をつけ白き孤高の光を放つ
庭隅に石蕗咲いてその黄色ここにありきと主張している
寒き秋皇帝ダリアの遅く咲き霜のくるのを恐れつつ観る
秋の日の展覧会に油絵を出展するも羞恥の極み
猫眠るベッドの端でいつまでも夜には目覚め戸外に出せと
2017年12月11日月曜日
おやじ
百舌が来てキリキリキリと鳴き叫ぶ私のどこが気に喰わないか
コスモスのあわれに倒れ空仰ぐよせばいいのになお花つけて
猫帰るまるで夜遊びしたように何食わぬ顔して餌を頬張る
ことわざに「地震雷火事おやじ」親父でなくて
台風
(
おおやじ
)
だとか
停電で闇を見詰めて思うこと元同僚の名前を手繰る
2017年11月26日日曜日
我は芥子粒(けしつぶ)
広大な宇宙の果てに地球とう惑星に住む我は芥子粒
鈴虫の音を聞きながら夜を過ごす田舎暮しは板についたか
秋の夜の猫と私の競うことどちらが先に天に召される
秋彼岸妹と共に墓参して墓仕舞いする話題に終始
手術後の友に付き合い喫茶店よもやま話で時間を埋める
2017年11月14日火曜日
盂蘭盆会
蜂の子が窓に飛びつきあがきいる外の世界に出してくれよと
三日月が西に傾き赤く耀る明日も暑いと言わんばかりに
孫ら来て先祖らが来てひとときはにぎわいている盂蘭盆会には
猪は耕作放棄地を鍬ならぬ鼻でしっかり耕してある
虫すだくこの暑さにはそぐわないもう一度蝉よ鳴いてくれぬか
2017年8月26日土曜日
金星よりは
通るたび垣根に群れて咲き盛るノウゼンカズラ主はいま亡く
球場に無念のサイレン鳴り渡る高校最後にコールドゲーム
この暑さ金星よりはまだましとつぶやきながら冷房漬けに
降り注ぐ竹の葉やめば夏が来て入道雲の高くそびえる
猫ぐたり毛皮を脱げよ見るからに暑苦しくて目も当てられぬ
2017年7月15日土曜日
蜘蛛の巣
あちこちに蜘蛛の巣張りて払えども又いつの間に元の木阿弥
曇天に青空よりも青く咲く紫陽花の青気分晴れ晴れ
鶯の春から夏へ鳴き渡る妻を娶りて幸多くあれ
誰がために鳴きて血を吐く
子規
(
ほととぎす
)
寝付かれぬまま闇を見つめる
雨降れば農の休みと友が来て世界のニュースをあれこれ語る
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実宝教雄
紀の川中流域の南側で短歌を詠んだり、写真を撮ったりしています。
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