2017年7月15日土曜日

蜘蛛の巣


あちこちに蜘蛛の巣張りて払えども又いつの間に元の木阿弥

曇天に青空よりも青く咲く紫陽花の青気分晴れ晴れ

鶯の春から夏へ鳴き渡る妻を娶りて幸多くあれ

誰がために鳴きて血を吐く子規(ほととぎす)寝付かれぬまま闇を見つめる

雨降れば農の休みと友が来て世界のニュースをあれこれ語る

2017年6月15日木曜日

花笑う

           
山笑い猫鳥笑い花笑う初夏の珍事は白昼の夢


薫風を受けてきらきら光る樹々鶯の鳴く里に乾杯


東京に住まう息子をふと思いとりとめのない電話を掛ける


めぐり来て脳の手術を受けたとう翁は出雲の玉串を売る


これからは趣味を持たねばとう友のカメラを求めて量販店に

2017年5月6日土曜日

妹よ


妹よ嫁いで幾年背も丸み今はいずこに初恋の君

風さらう桜吹雪もまた風情散り急ぎてはもはや葉桜

粉河寺処々に桜花は満開に贅沢なりし人は疎らに

竹林にしゃが群れ咲きて光射す夢幻か仏の世界

特養に住まう歌友は小奇麗な部屋にこもりて歌作りおり

2017年4月16日日曜日

猫撫で声


水いまだ冷たき池に鯉たちは身じろぎもせず春を待ちいる

初鳴きの声ういういし山里の風まだ寒き春の真昼に

年寄りの猫に優しくしましょうと猫なで声で餌をやりおり

友が来て大根沢山持ち呉れしさてどう食うかレシピの思案

土蜘蛛がパソコン画面に張り付いて存在示す生きているぞと

2017年4月3日月曜日

マラソン


マラソンを走る人人春日浴び東京の街ゴールを目指す

一輪の真赤な山茶花散り忘れ造花のごとく木にしがみつく

町内の小旅行にて銭自慢トラックに積むほどありて目方で計る

わが猫に風邪うつらぬか気にかかりマスクを付けて床に横たう

わが山河追憶の底おさな日に泥鰌(どじょう)鮒いた小川は何処へ

2017年2月2日木曜日

わが里の蟻通神社の正遷宮

我が誕生日

おめでとう孫ら集いて寿ぐは正月二日の我が誕生日

うっすらと積もる雪見て小躍りす我の心は幼児のごとく

積もる朝ここを先途とカメラ持ち解けぬうちにと撮り急ぎたり

山茶花は被る雪にもじっと耐え赤き花びら我に自慢す

わが猫はひたすらベッドに眠りこけ時折覚めては餌をねだりて