2010年1月19日火曜日

冬将軍

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落葉みな掃き清められ歌聞こゆ八人通う峡の校庭

つながれし犬の咆哮谺して眼下に寄り添う過疎の屋根見ゆ

火の山は沈思の山に変わりたり柿はもみじ葉掃い尽くして

小春日に鳥の声なく鎮もりて冬将軍がしのびより来る

ご帰宅のやんちゃの猫のあちこちに草種付くを櫛で梳きやる

ご近所の連れ来る犬にわが猫は敵意あらわに吹いて逃げ散る

亀逃げてこころ安らか耳につく「逃がしてやれよ」の言葉も消えて
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2009年12月12日土曜日


合歓の花

コスモス

秋寒

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秋更けてこおろぎひとつ鳴き澄むに数多の虫の生き死に思う

秋更けて蓮はあわれに枯れてゆく地下深き根を太らせるため

秋寒に覚めて孤独に苛まれ野良より帰りし猫を抱きあぐ

柿狩りに来し幼馴染は嬉々として連れたる妻にあれこれ指図す

昌雄とう翁独りで旅立ちぬ遠く復員兵たりしあなたは

三日月は西に鋭く際立ちて通夜の帰りは殊に身に沁む

電話の向う亡父の同僚とう媼長々昔の逸話を語る 
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2009年11月17日火曜日


「コスモスの丘」
和歌山県有田川町コスモスパーク

母の幻影

ああ
月影に遠住むひとを映してはしたたかに酔い時空を超ゆる

晩年の母の幻影天井は虹を懸けたる花園と化す

蟋蟀の数多の声に透けて鳴く鈴虫ひとつ闇を鎮むる

台風にうち倒れいしコスモスは足を傷めし競走馬とも

秋晴れの舟に揺られて花嫁は岸辺の母にVサインする

名を残す数多の絵画のコレクション無名の女工の涙の嵩に

少年を乗せて遊ばせし老い柿は葉のしおれつつ実を生らしおり
あああ

2009年10月18日日曜日

白昼夢

ああ
唐突に眼前過(よ)ぎる鬼蜻蛉ゆく夏に見る白昼夢かとも

向日葵の畑に秋の気配してプロペラ飛行機低空を飛ぶ

信仰の薄きを君は常いうも彼岸の来れば祖父母を偲ぶ

小鍬持ち土を這うがに耕しし亡母の畑にブルーベリー生る

大合唱ホールいっぱい響動もして「金銀を崇める王は直ちに滅ぶ」と

西洋の神を讃えるオラトリオ仏の国の我も聴き入る

炎天の車道にころがりひからびし狸一匹コスモス前線 
ああ