2009年12月12日土曜日

秋寒

aaa
秋更けてこおろぎひとつ鳴き澄むに数多の虫の生き死に思う

秋更けて蓮はあわれに枯れてゆく地下深き根を太らせるため

秋寒に覚めて孤独に苛まれ野良より帰りし猫を抱きあぐ

柿狩りに来し幼馴染は嬉々として連れたる妻にあれこれ指図す

昌雄とう翁独りで旅立ちぬ遠く復員兵たりしあなたは

三日月は西に鋭く際立ちて通夜の帰りは殊に身に沁む

電話の向う亡父の同僚とう媼長々昔の逸話を語る 
aaa

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

拝啓 過去、現在を結ぶ、よき歌を並べられて。
第二首、「蓮はあわれに枯れてゆく」の感情移入は、賛否両論あるところですが、私は、なにか懐かしく、人間らしく感じますね。
第三首、「孤独に苛まれ」と、生々しい語句をぶつけられましたが、猫を抱きあぐ、で救われた感じです。
第五首、「遠く復員兵たりしあなたは」と呼びかけたのがいいですね。復員兵という記憶の遠くにある言葉をもってきて。伏線的な叙情が流れます。
第六首、西に鋭く際立ちて、のあなた様らしい言い回しの、「殊に」は「夜風」など具体の事象にしてはいかが。
 歌を通して、あなた様の今の心境がはっきり言い表されて、すがすがしく。
 (私は、歌の原点に返るべく、啄木、茂吉を再読しています。収穫があればよいのですが。)
 ご自愛のほど祈ります。/E