2009年11月17日火曜日

母の幻影

ああ
月影に遠住むひとを映してはしたたかに酔い時空を超ゆる

晩年の母の幻影天井は虹を懸けたる花園と化す

蟋蟀の数多の声に透けて鳴く鈴虫ひとつ闇を鎮むる

台風にうち倒れいしコスモスは足を傷めし競走馬とも

秋晴れの舟に揺られて花嫁は岸辺の母にVサインする

名を残す数多の絵画のコレクション無名の女工の涙の嵩に

少年を乗せて遊ばせし老い柿は葉のしおれつつ実を生らしおり
あああ

1 件のコメント:

Hara Tetsuya さんのコメント...

拝啓 相変わらず、よき歌を並べられて。
 晩年の母の幻影天井は虹を懸けたる花園と化す
 (「天井」でしょうか、それとも「天上」でしょうか。)
 秋晴れの舟に揺られて花嫁は岸辺の母にVサインする
 (有吉佐和子の「紀ノ川」を、その現代版を彷彿とさせて。)
 少年を乗せて遊ばせし老い柿は葉のしおれつつ実を生らしおり
 (「遊ばせし」は、調べを整えて「揺らせし」では。回想の歌の優れて。
 
 ご無沙汰しております。橋本短歌大会には、渋田短歌会を引き連れて、ご活躍の。
 私は、残念ながら、別荘(病院)に療養の、散々な目に。
 部矢先生のお加減いかがでしょうか。
 
 血糖値管理されいる病中を養殖鰻のごと横たわる
 (11/16朝日歌壇馬場あき子選)

 柿農父夢かうつつか看護師にたわけて「側で居てくれるかい」

 夕虹や釣り人舟に立ちあがる 大橋越央子

 ご自愛のほど祈ります。/E