2017年2月2日木曜日

わが里の蟻通神社の正遷宮

我が誕生日

おめでとう孫ら集いて寿ぐは正月二日の我が誕生日

うっすらと積もる雪見て小躍りす我の心は幼児のごとく

積もる朝ここを先途とカメラ持ち解けぬうちにと撮り急ぎたり

山茶花は被る雪にもじっと耐え赤き花びら我に自慢す

わが猫はひたすらベッドに眠りこけ時折覚めては餌をねだりて

2017年1月9日月曜日

漆黒


どこまでもカラスはその身を漆黒に纏うているが血肉は真赤

劇はてて上弦の月仰ぎ見る熱き舞台の栗原小巻 

忘れ得ぬ小一のころ校庭で疎開の少女が林檎をくれし

夕暮れて時間が止まる物憂さに突然轟く鋭い雷鳴

わが里の自慢の長寿愛子さん天に召されぬ満百五歳

2016年12月4日日曜日

石蕗(つわぶき)



山茶花は天の馬より白く咲きわれの(なずき)を覚醒させる

百舌の鳴く金切り声に目覚むれば日本晴れの今日が始まる

猫の世に孤独はあるか摺り寄りて温もり寄する冬を間近に

鶺鴒がわたしの前を横切りぬ宇宙の摂理と関係もなく

いつの間に黄色を放ち石蕗は狭庭の隅で存在示す           

         

2016年11月7日月曜日

わたくしがいる


秋の峡絵に描かんとキャンバスに対うわたしの真剣な顔

台風に倒れし竹を花筒にとごりごりごりとのこぎりを引く

いつからか猫との縁切れぬままなくてはならぬ存在となり

秋晴れの正遷宮に若者が続々現れ過疎は返上

月に立ち地球を望めば確実にわたくしがいるいと小さいが

2016年10月11日火曜日

雑草


天国へいざなう声か鈴虫は闇の時空を独り占めする

ふるさとへ帰らんとして駅に立つ吾のまぼろし昔日となる

じじばばの墓石の前に佇めば我は少年かまどの温もり

家猫は気楽なものよ餌を食い鼠も捕らずまた餌を食う

とき来れば可憐な花を咲かせては雑草と呼ぶなと抗議している

遠花火


遠花火聞こえてくればあのあたり踊りにまぼろし浴衣の少女

ひぐらしの鳴く夕暮れは人恋しカナカナカナとちちはは呼ぶか

盆の宵子とのいさかいにているとしそうめんしようと孫娘(まご)

独り身は気楽でいいと見栄を張り香水などを付けて外出

寄せ書きの日の丸帰る玉砕で父を亡くした息子の元へ