2017年1月9日月曜日

漆黒


どこまでもカラスはその身を漆黒に纏うているが血肉は真赤

劇はてて上弦の月仰ぎ見る熱き舞台の栗原小巻 

忘れ得ぬ小一のころ校庭で疎開の少女が林檎をくれし

夕暮れて時間が止まる物憂さに突然轟く鋭い雷鳴

わが里の自慢の長寿愛子さん天に召されぬ満百五歳

1 件のコメント:

HaraTetsuya さんのコメント...

どこまでもカラスはその身を漆黒に纏うているが血肉は真赤
 (作者の、歌人としての鋭い感覚を推察する)

劇はてて上弦の月仰ぎ見る熱き舞台の栗原小巻 
 (作者のマドンナが栗原ならば、私は、樫山文枝。月を仰ぎ見るは、詩文になります)

忘れ得ぬ小一のころ校庭で疎開の少女が林檎をくれし
 (珠玉の様な想い出を抱かれて)

夕暮れて時間が止まる物憂さに突然轟く鋭い雷鳴
 (詩人の魂を呼び起こしたのでしょうか)

わが里の自慢の長寿愛子さん天に召されぬ満百五歳
 (十年前なら、九十歳を寿ぎたのでしょうが、驚くべきは人の命。村の自慢とは)

正月の橋本短歌会でも、良き歌が生まれています。

飛んで来てまた飛び続けようやくに羽根休めたる鳥のごと我 中野昌子
 (ボブディラン「風に吹かれて」に着想を得て)

寄生木に思い託して冬の幹透きし枝伸ばし空の夢きく    北村 薫

ますますの発展を祈ります/E