2014年10月7日火曜日

南無阿弥陀


むらさきの小さな蝶がちろちろと記憶の闇に棲みついている

わが猫のぐったりしている様を見よ地獄の使い傍に来ている

南無阿弥陀友の行くのは黄泉の国暑さ寒さもなかろう国か

梅雨明けと気象庁より告げられぬ梅雨は明けても心は晴れぬ

夜のうち田を掘り返す猪の空腹抱える家族を思う

1 件のコメント:

HaraTetsuya1 さんのコメント...

むらさきの小さな蝶がちろちろと記憶の闇に棲みついている
 (「記憶の闇に棲みついている」が作者の短歌実力の極めつけ。印象の深い歌に)

南無阿弥陀友の行くのは黄泉の国暑さ寒さもなかろう国か
 (作者の死生観をかいま見る。神経が繊細で、しかも図太い。だから佳歌を作れる)

梅雨明けと気象庁より告げられぬ梅雨は明けても心は晴れぬ
 (「梅雨は明けても心は晴れぬ」とは演歌調。おもしろい)

夜のうち田を掘り返す猪の空腹抱える家族を思う
 (家族を思うとは、作者のやさしい気持を表している)