2009年10月18日日曜日

白昼夢

ああ
唐突に眼前過(よ)ぎる鬼蜻蛉ゆく夏に見る白昼夢かとも

向日葵の畑に秋の気配してプロペラ飛行機低空を飛ぶ

信仰の薄きを君は常いうも彼岸の来れば祖父母を偲ぶ

小鍬持ち土を這うがに耕しし亡母の畑にブルーベリー生る

大合唱ホールいっぱい響動もして「金銀を崇める王は直ちに滅ぶ」と

西洋の神を讃えるオラトリオ仏の国の我も聴き入る

炎天の車道にころがりひからびし狸一匹コスモス前線 
ああ

1 件のコメント:

Hara Tetsuya さんのコメント...

拝啓 七首ともすばらしいですね。
 第一首、「唐突に」の結句、「白昼夢かとも」は、短歌らしい言い回しの魅力的です。
 第二首、「向日葵の」は文句なく秀歌です。ジェット機でなく、プロペラ機の、田園的で、レトロでいいですね。
 第三首、「信仰の」の君とはどなたでしょうか。身近な人ですね。
 第四首、「小鍬もち土を這うがに」の言いまわすがいいですね。
 第五首、「金銀を崇める王は直ちに滅ぶ」の歌の文句が適切です。
 第六首、ヘンデルのオラトリオでしょうか。
 第七首、無残な情景に、結句のコスモス前線の体言止がいいですね。
 ご自愛のほど祈ります。/E