2015年12月5日土曜日

のりおちゃん


のりおちゃん                 実宝教雄

そちこちにしゃがの花咲く竹やぶに鴬が鳴き筍を掘る

春来れば家の周りを雄猫がうろつきまわりわが猫ねらう

新緑の季節めぐりてこともなく悲惨なことはテレビの向こう

北山の尾根の連なり幼少の頃の世界はそのあたりまで

年上の女の子らと遊びしはむかし今だに呼び名は「のりおちゃん」

2015年4月15日水曜日

土佐みずき


友は言う「土佐みずきに間違いなし」太鼓判にて誇らしく咲く

わが猫にやさしくしよう齢もとり足ひきずれば尚更のこと

待ちわびし春を待たずに死にゆくは鯉いっぴきのあわれな末路

哀れなり年々歳々若返り終には赤子になる映画あり

テロリズム飛行機事故等映像で旅行をせずば遭遇もせず

狼の遠吠え


狼の遠吠え聞こえくるようなこんな夜には月も凍てつく  

うららかな二月の陽気は季の狂い来たる寒波に体備えよ

わが猫は足ひきずれて帰り来るどこのどいつだいじめる猫は

様々なiPSの研究は人間手にした神の領域

白梅の満開なるを前触れにさあ咲き誇れ春の花々

天の川


寒空に横たう天の川はるか遠くへ旅してみたい

大寒にうどんをすする夜半かな人質事件のテレビ見ながら

雪の舞う今日誕生日開戦の翌年生まれて七十余年         

新春の歌会に高野山そこびえに歌も凍てつき結晶となる

「にゃあ」としか鳴かない猫が愛おしい余計な言語は必要もなく

生命誕生


紅白の山茶花めでたく咲きつぎて師走の庭に華やぎて散る

猫抱くと身をくねらせて落ち着かず迷惑そうに我を見つめる

凍てついた池に寄り添う鯉たちは春を待ちわび身じろぎもせず

この年はスタップ細胞に涌いた年りけじょ(・・・・)の夢は儚く消えて

人類は生命誕生の謎残し消えてしまうかこの地球から

2015年3月2日月曜日

メリケン波止場


探査機は十年旅して彗星に取り付いたとか「ロゼッタ」バンザイ

石蕗は少女のようにひっそりと庭隅に咲きはにかんでいる

わが猫の一芸はわれかざす手に鼻をすりつけ餌をねだること

霜月の小春日和に大地震ありとの報道死人ゼロとも

老人会メリケン波止場に集合す修学旅行の若きら眺めつ

ぶり大根


青鷺の物思いする仕草にて水辺に佇む哲学者のごと

安楽死選ぶ女性のニュースみて自問自答すこの齢にして

台風に倒れしコスモスたちまちに枝起きてきて花宇宙(そら)に向く 

ぶり大根作るたんびに味変わり失敗したり成功の日も

山茶花の白咲き初めて百舌の声田舎暮らしにまた秋がきた