2013年11月10日日曜日

処暑


蝉時雨いつの間に止み虫すだく猛暑続くも処暑を感じて

盂蘭盆会魂らは騒ぐ地獄より暑い下界に舞い戻りきて

鉄線の一輪咲きて又一輪酷暑は狂わす二度先の朱

唐突にヒステリックな鴃(もず)の声夏の熱気を切り裂きわたる

孫ら去り寂しかろうと人の言う疲れ果てたと言えずに黙る

2013年9月15日日曜日

大銀杏



蓮 

                  

わが池の蓮咲き涼を呼びているちちははおわす黄泉にも届くか

わが池にみずひなげしとう水草は蓮を押しのけ勢力を張る

わが猫は暑さにぐたり横になりのろのろのろと歩みすすめる

くまぜみが鳴いて味わう夏本番以前の猛暑はみなリハーサル

朝鮮の悲劇は続く南北に引き裂かれての六十余年

2013年5月2日木曜日

落ち椿

仙人


誇らかに紅梅白梅咲き揃い愉悦のひと日を猫野に遊ぶ

枯れ蓮の池にいくつか椿落ち無色の水面に彩り添える

初鳴きはたどたどしくて幼くて薮の中より姿を見せず

鯉のかげ悠々として池泳ぐ鮒っこどもの王者のように

青鷺は池に立ちいて動かずに痩せた体で仙人のさま

2013年3月7日木曜日

御田の舞



かつらぎ町 花園


春を待ちおり


春寒に村を見下ろす山寺の御田の舞にカメラの砲列

汗だくのおとこ踊りに拍手わき御田の舞の面目躍如(花園)

残酷に伐り取り活ける梅の枝花を開かせわれを慰む

集い来て学習するとう老人ら余命を忘れ目を輝かす

日溜りにごろり寝そべる我が猫は毛づくろいして春を待ちおり