2018年6月2日土曜日

桜の苑


鯉は今春の温もり身に受けて呪縛とけたかに身をくねらせて

春うらら筍を掘り初音聞く田舎暮らしも馬鹿にはならぬ

山桜今や散り終え山かげに密かにたたずむまた来年に

友とゆく妖精出そうな満開の桜の苑で見る白昼夢

猫は寝る何事もなくすやすやと夜はあれほどうろついたのに

2018年5月6日日曜日

春彼岸


うららかな坂をのぼると墓墓に花を供えて春彼岸かな

鶯の初音聞く度巡り来る春を感じる白髪が増える

衣替えの季が来たりそこここに抜け毛がまろぶ猫衣替え

雨降れば訪い来る友と語り合うニュースをネタに忖度ありか

また起きた暴力否定の親方の弟子の仕出かすおろかな行為

2018年3月21日水曜日

同窓会


一段と腹が出ている同窓生会に来るなり「俺は元気だ」

一人だけ髪は黒黒染めてなし同窓会は後期高齢

間違えて欠席とされしご婦人は皆にちやほやされて満悦

学校でりんごをくれしかのひとは覚えていないと同窓会で

冬晴れの同窓会の果てて後帰りゆく先現実が待つ

2018年3月13日火曜日

スーパームーン


スーパームーン             実宝教雄

正月を子や孫揃い迎えたり広い農家に先祖の笑顔

家族らで雲間に顔を覗かせるスーパームーンに歓声あぐる

雪積もる冷たき空気に凛として山茶花の赤ますます冴ゆる   

同窓会後期高齢何人の出席なるか賭けをしている

暮れ行きて独りの酒を猫見てるお前も飲むかと無理やり顔に

2018年3月10日土曜日

すりすり


寒い朝鴉の群が舞い狂う縁起でもないまだ死なないぞ

寒い朝赤が目にしむ灰色を背景として山茶花が咲く

寒い朝猫帰り来てすりすりと冷たい体を押し付けてくる

寒い朝なぜ裸だと人間は死んでしまうかなどと思考す

寒い朝思案をするもいい夢か悪夢だったか思い出せない

2018年1月19日金曜日

たった一輪


山茶花はたった一輪花をつけ白き孤高の光を放つ

庭隅に石蕗咲いてその黄色ここにありきと主張している

寒き秋皇帝ダリアの遅く咲き霜のくるのを恐れつつ観る

秋の日の展覧会に油絵を出展するも羞恥の極み

猫眠るベッドの端でいつまでも夜には目覚め戸外に出せと

2017年12月11日月曜日

おやじ


百舌が来てキリキリキリと鳴き叫ぶ私のどこが気に喰わないか

コスモスのあわれに倒れ空仰ぐよせばいいのになお花つけて

猫帰るまるで夜遊びしたように何食わぬ顔して餌を頬張る

ことわざに「地震雷火事おやじ」親父でなくて台風(おおやじ)だとか

停電で闇を見詰めて思うこと元同僚の名前を手繰る