2010年9月8日水曜日

二番子

   
紫陽花の咲き盛る道嬉々としてランドセルの児ら傘揺らし行く

紫陽花の青の深きに吸われゆく村の悲劇の沈める底に

この夏は田舎に来るかと問うメール電波は黙って横浜に飛ぶ

一番子巣立ちて空きしを整えてつばめは真夏に二番子を抱く

東京にあこがれのぼりし若き日の記憶消せずに田舎に棲まう
   

2010年7月5日月曜日


芍薬

味彩

味彩          実宝教雄
雨足の速まる池の蓮の葉に真珠の玉が膨らみてゆく

あじさいはわがふるさとの味彩か慈雨を降らせて蝸牛(かぎゅう)養う

紫陽花の青は深まり叢(むら)底に村の悲劇の数多が沈む

早朝に子らの巣立ちをうながして燕ら騒ぐ今日は大安

わが祖なる人類生れしアフリカに蹴球競い世界が集う
あああ

紀の川河畔

月下美人

2010年6月30日水曜日

怪鳥

 怪鳥 実宝教雄
玻璃に這うすずめ蛾の身を巨大なる怪鳥と見るポーの一瞬

連休の渋滞映像愉しみて日がな寝そべる我の連休

睡蓮の池に一枚蓮の葉の浮かびてやがて蓮池と化す

ベトナムの兵士のごとく地下道を土竜は穿つ休耕田に


デモ連ね「返せ」と叫びしとき古りて尚も変らぬ美(ちゅ)ら海の願い
あああ